エルフの葬儀

 はじめる前に。

 クウェンディの葬儀について。
 というかむしろ、フィンウェさんの亡骸について。
 考えるんですけども。

 扱う問題が問題なだけに、ある意味気持ち悪い描写など出てきてしまうかもしれません。ていうか、出てきます。
 まぁその何ですか…自然の摂理というものがですね…。
 ですから、気持ち悪いと感じましたら即座に読むのを止めるのをお勧めします。
 ほら、私の説なんぞは読まなくても人生に関係ありませんし!
 今気持ち悪い方がよっぽど大問題ですからね。

 いやしかし、HoMeには書いてあるのかもしれないがとりあえず手持ちの文献をひっくり返しても書いてないものは出てこないわけで。
 ということは。…マルっと捏造気味に考察します。

 それではどうぞ、覚悟を決めましたらお進みください。

  1、はじまりはじまり
  2、問題は時の流れです
  3、そもそもクウェンディに葬儀概念はあったのかどうか?
  4、さてではミーリエルはどうかというと
  5、肉体へのこだわり
  6、フィンウェさん
  7、時の流れと驚異のファザコンエルフ
  8、さらに微妙な問題に踏み込みます
  9、それで結局亡骸のある場所は?
  10、さあ結論です
  11、最後にぶつぶつ

1、はじまりはじまり

 考えるきっかけはメルリンダレでした。
 ウチの子はアルクウァロンデでお亡くなりになるのですが、さて、その亡骸はどうなったか?
 そこが問題なのです。

 中つ国でお亡くなりになった方々は結構簡単なんですよね。
 自力火葬したフェアノール、トゥアゴンに埋葬してもらったフィンゴルフィン、
 ベレンとルシアンに埋葬してもらったフィンロド、
 ウチでは奥方(※本人否定)に埋葬してもらってるけど多分本当はハウズ=アン=ヌデンギンの一番下とかに埋まってるであろうフィンゴン、
 ゴンドリンの瓦礫と一緒に眠ってるトゥアゴン、などなど……
 とりあえずほとんどは戦乱で死んでますから、亡骸を回収できる余裕や暇があったら墓所が作られるし、
 そうでなかったらそこで朽ちて土となるでしょう。
 ドワーフたちには葬送の習慣も儀式もあったようだし、ってことはやっぱり基本土葬でいいんでしょう。
 ……しかも緊急時には穴は深くないかもしれません。だってベレグの埋葬の時、わざわざ「浅い墓」って書いてあるし…。

 まあ、中つ国では土葬ですよん、ということで。
 一番問題なのは、旅の途中や戦乱でなく、アマンでお亡くなりになった方々ですよ。

 2、問題は時の流れです

 アマンで、というか二つの木時間で死んでる方々って、……どの程度の放置で「放置しちゃった」気分になるんだろうか。
 というか、亡骸は傷むんである。
 何かしない限りは確実に腐敗して溶けて分解して骨になる。
 放っといたら大変ですよ全く!

 ここでフィンウェさんを考えるにせよ、アルクウァロンデでお亡くなりになった方々を考えるにせよ、立ちはだかるのは「時間」という壁です。

 ほら、二つの木の時間って、太陽時間と違いますからね?
 …もっと言えば、ヴァラの感覚とエルダールの感覚が違うのか同じなのかわかりませんからね?

 ろめ的には、年を数えるのはヴァラ年で言ってたんだと思います。
 「1年」と言ったら、それは太陽の感覚では10年なんです。
 つまり、1時間感覚は太陽と同じ、1日は12時間、1年は7300日。1ヶ月の概念はない。
 あったとしたら太陽の1年=二つの木のアマンの1ヶ月くらいな。
 エルダールの妊娠期間は太陽の1年ですから、二つの木のアマン感覚では「約730日前後」なんですよ。つまりはこれが1ヶ月。
 ええ、二つの木の時に1年は12ヶ月なんていう概念はないですともさ!

 さて、腐敗速度がどんなもんかは状況にもよりますし、良くわかんないのが本音ですが
 二つの木の時間で7日くらい経ったら相当ヤバいのではないか、と思われます。
 太陽の3日くらいはもつかなぁ…と思いまして。
 でも時の流れが違うからなぁ。30日くらいもってもいいのかも知れない。

 二つの木が死んで、暗闇が訪れたのと、アルクウァロンデの悲劇は、ヴァラ年では同じ年。二つの木の1495年。
 で、北方の予言が1496年。
 ヴァラの1年は、太陽年に直せば約10年間です。
 同族殺害から1日~10年まで、どうとでも解釈できちゃいますよナーモさま…。
 ろめ的にはですね、まだ葬りもろくろく出来てない時にフィナルフィンが帰って来るので…
 そしてアルクウァロンデへ行きますので…(……忘れがちですが、アルクウァロンデではノルドもたくさん死んでます)、
 ここはとっても短く、ちょうど年の変わり目だったんだよ!という解釈をしてます。

 ……だいぶ逸れてきた気がする。今のところ、葬儀の方法はともかく、葬儀はしたと。

 3、そもそもクウェンディに葬儀概念はあったのかどうか?

 クウィヴィエーネンで。
 クウェンディたちはまだ遊びで狩りをする概念はありません。
 狩りは生きるため。食事のためか、身を守るためか。どちらかしかありません。
 食事のためなら、しとめたものは残さず余さず食べちゃったはずです。
 鳥(は多分いない…だって星明かりじゃ飛べない…)か魚か獣かわかりませんが。

 しかし食べたならば保存する概念はそのうち出てきて、ということは「ものは腐る」ということは分かったと思います、そのうちに。
 原始人生活する前に歌うわ喋るわ踊るわ…。…いや、あれは「伝説」ですからね。
 省かれた行間でさぞやたくましく原始的生活を営んでいたわけですよ、クウェンディだって。

 さて、食べた、保存するから腐る概念もあった、…ではですね、クウェンディの亡骸を目にする機会があったかどうか、ですね。
 ろめ的クウィヴィエーネンは、黒の乗り手の襲来と獣の襲来があります。
 乗り手はメルコールの拉致隊です。拉致られたら帰って来ない。神隠し。「行方不明」なわけです。
 一方、獣は食料を求めて襲ってくるわけです。つまりは、襲われる=食われる。
 …食い散らかされた死体とご対面する羽目になるわけです。
 骨になってればまだ良いほうでしょう。
 すっごいことになった亡骸が(もしくは完全に絶命してなくて緩慢に死んでいく場合もあったかもしれません)腐っていくのを、
 クウェンディは知っている、ということになります。

 腐ったからって放置していてはいけません。きっと埋めたでしょう。
 ここで「土に還す」概念があったのか「火で清める」概念があったのかでちょっと段階が変わりますけど、まあとにかく葬ったと。
 死んだ身体は葬るものだと。おお、そういう概念は湖ですでにあったのですな(でないと困るし)。

 葬儀概念のあるクウェンディがアマンに来て、発展していきますと、こう、楽しみのための狩りとかもやり始めるわけで。
 捨てる、というよりも土に還すという感覚で、小動物の埋葬とかは普通にしていたでしょうな。
 だがしかし、アマンで死んだエルダールはいなかったのです、ずっと。
 中つ国ではごく順調に葬儀は発達していったでしょうが。

 4、さてではミーリエルはどうかというと

 アマンで最初に亡くなったのはミーリエルなんですが、彼女の場合は他の「殺された」方々と同じ視点で話すことはできません。よ。
 なんでかって?

 ミーリエルの場合は、ヴァラも困ったと思われるのです。
 あれは緩慢な自殺だから、周囲もすぐには納得できないし、
 大体ヴァラたちも、ナーモを除いてミーリエルが本気で死ぬ気だなんて思っていなかっただろうし。

 魂は肉体を離れてしまったわけだけど、あれはそもそも「肉体を休めたなら魂も休まる」という観点から
 肉体のお世話していたらそれでも休まらずに離れちゃった!?
 …が正しいんだと思うわけですよ。

 ほぼ全員予想外。だからフィンウェも勿論納得しないし、ここで肉体のお世話やめたら確実に腐る(う)ので、
 いくら何でもそんな現実を突きつけたら、……発狂しちゃうよー、と思ったんだろうなぁ。
 実際フィンウェさんがどう思うかは別として。
 ていうかそんな荒療治をしたらヤバいと思ったんでしょうな。そう思わせるような方だったと。
 ……むしろこう、マンウェあたりはリアルに想像しちゃって「げー」って思ってエステにお願いしたんじゃなかろうか(笑)。

 うん、やっぱりそこなんだよな。
 遺体は腐る。だから、埋葬する。
 おー、しごく当たり前ですね。……ということは、加工できたら埋葬しないってことに…。

 んで、加工できてるから葬ったのでなく安置状態になってるのがミーリエルと。そういうことですね。
 …でもやっぱりそれは命の領域なのであって、ヴァラ(っていうかマイアか)にしか出来ないんですよ。
 クウェンディには出来ないこと。たとえどんな技を持っていようとも。

 5、肉体へのこだわり

 しかしここで悩むのは、…エルダールってのは、どの程度、自分の肉体にこだわりがあったのかということ。
 蘇りをいまいち信じてない(前例がないから)とはいえ、
 一応は魂は不滅で、肉体は今着ている服のようなもの的観点がなかったとは言い切れない。
 魂が大事なのだから、魂抜けてしまった肉体はどうでもいいよって言えるのか。
 それともやっぱり肉体が気になるのか。

 蘇り概念があやふやだから葬ってお墓まで造ったのか、それともまとめて埋めてお墓はやめといたのか。これもかなり重要ですよ。
 なんでかと申しますと、ろめでは最終的に、世界が終わる前までには一応全員蘇る資格はあることになってるんです。
 実際、アルクウァロンデで亡くなった方々は比較的早くに蘇ったんだと思ってるんです。
 で、蘇ってみて、自分のお墓見たらどう思います?

 掘り返してみたくなりません?

 私だったら絶対掘り返して、そして骨なり何なりを見ちゃって、「じゃあちょい待てや今のこの身体は何なんだー!?」って思いますよ。

 ろめとしましては、肉体は仕方ないのです。
 器なわけですから、魂が宿っていなくては単なる抜け殻です。
 どういう状態で残っていようが残っていまいが、蘇りの時には新しい身体が与えられるのです。
 昔の私の亡骸とバッタリ、ができちゃうと思ってるんです。

 ……ああ、これもマンドスの蘇り注意事項だな。めもめも。
 …ってことは、蘇る際に思いっきり自分の前の身体が残っていまして、
 見たいですか見たくないですか見たくないようでしたらとりあえず燃やすかなんかして埋めておきますけど
 っていうか掘り返さなければいいんですけどね的会話が。

 アマンで死んだ方々は、特にこの「身体の所在」に注意せねばならんわけですね。
 しかしまあ、あの当時では…葬ってお墓造った…かなぁ…。
 それこそ湖でお墓を造っていたかどうかによるわけですね。
 共同墓地で、しかも区別してなかったかもしれないし。
 だいたい湖では、オロメと会うまで蘇り概念さっぱりないし…
 基本的に不死だって感覚もないし…(だって獣に襲われてさくっと死ぬんだもん)
 (寿命概念がないんだから不死概念もないんだよ)。
 オロメと会って不死概念が分かったとしても、肉体の保存は必要ないってのも同時に分かるだろうから、割り切って土に還した…かな?

 ああ、泥沼。

 じゃあまあ、葬る、そして墓を造る、ということにしましょう。
 蘇ってきた当人たちがお墓壊すかどうかは決めればいいよ。
 ということは、アルクウァロンデの方々はすっきり答えが出ました。
 もちろん、葬ったのだと。腐る前に。水に漬かってるもんですから、腐るの早いと思います。さっさと土葬だと思います。
 場所は…分かんないですけど、ろめの場合はオルウェとフィナルフィンが相談して決めたと思いますよ。あそこ仲良しです(何言ってる)。

 6、フィンウェさん

 さて。…立ち向かわなければならないのはフィンウェさんです。
 …ったくもう、どんな時でも私の思考をフル回転させてくれるなーフィンウェさんったらー!チクショウ!大好きだ!(また無駄に告る)

 整理しましょう。

 ①葬る概念はあったのだから葬ったはずだ。お墓を造ったはずだ。
 ②ミーリエルは例外である。タイミングを逃しただけであって、普通に亡くなっていたらきっとお墓が出来ていたはず。
 ③あの状況でヴァラにせよマイアにせよ何かしてくれたとは考えがたい。
 ④フィンウェさんだって、死んじゃったら身体は腐る。

 ということはですね。
 先ほども言いましたが二つの木が死んで、暗闇が訪れたのと、アルクウァロンデの悲劇は、ヴァラ年では同じ年。二つの木の1495年。
 太陽年にして約10年。
 …太陽年で考えるとまあ何と言うか物凄く間延びしていますが、
 まぁ、太陽年で数えたら10年目の、最後の1年に何もかも起きたんだって考えればいいんですかなぁ。
 や、丸ごと気長に10年使ったっていいんですけどね。
 しかしそうすると現代の我々の感覚では「手遅れにならぬうちに~」ってもうとっくに手遅れじゃー!という気分ですが…。

 えっと、また話が逸れたよ。時間はあったんです。たっぷり。
 しかし、おそらく葬式をした方の精神的には時間なんぞ全くありませんでした。

 どう考えてもですね、フェアノールが葬るしか方法がないんです。
 いや、フィンゴルフィンなりフィナルフィンなりインディスなりが葬ったっていいんですよ?
 でもそしたら、フェアノールは確実に墓暴きをすると思いませんか?…思いますよね。

 誰が、は答えがひとつしかないとして。では次、どこに。

 7、時の流れと驚異のファザコンエルフ

 どこに、に行く前に、時間の観点と、葬るひとと決まったフェアノールの「葬る」概念からちょっと考えなくてはなりませんな。

 時間です。
 10年か1年かはたまたそれより短かったのかは分かりませんが、葬る時間はありました。
 フェアノールの精神的には全く時間はありませんでした。余裕が、と言った方がいいですが。
 悲しみにどっぷり漬かっていながら、彼の心は復讐、怒り、そんなもので燃えてたわけです。

 ろめ的解釈で参りますと、フェアノールは世界を失ってしまったのですから、この贖いをさせずにはいられません。
 贖えないものではありますが贖いを求めずにはいられないのです。
 それはちょうど二つの木が死んだ贖いにシルマリルを差し出せといったヴァラの気持ちと同じように。
 …でもメルコールは拒むでしょう。そりゃそうです。フェアノールだって拒んだんですから。
 そんなこと考えていなかったでしょうが、フェアノールにとってもシルマリルはこの時、余計に大事なものになったのです。
 世界の象徴として、取り戻さずにはいられないものとして。

 フィンウェさんが生き返るなら、シルマリルだって砕くでしょう。フェアノールは。
 だけどフィンウェさんが生きているなら、シルマリルは自分のものなのです。誰にも渡したくない。

 ああまた思い出しちゃった。
 ブラガの『THE CURSE OF FEANOR』のです ね、出だしの
 「But I arrived/Truth might be changed by victory」のフレーズがここの気持ちにぴったり沿うんです。
 勝利が事実を変えるかもしれない。
 奪われたものを取り返したら、光が戻ったなら、フィンウェさんは蘇るかもしれない。
 勝利(シルマリルを取り返すこと)(メルコールを倒すこと)が
 事実(光が消えたこと)(フィンウェが死んでしまったということ)を変えるかもしれない、
 と思うんです。たぶん、フェアノールはそう思ってしまったんです。

 その思考に至るまでに、フェアノールは何を考え、どう行動したでしょう。

 ここで、フェアノールの「葬る」概念に話を移します。
 さ~て、関係してくるのは勿論、ミーリエルです。
 彼の母親の身体はとんでもなく例外的に、美しいままローリエンの園に横たわっているのです。
 だけど死んでいるのだといいます。そしてフィンウェさんは再婚までしちゃってるわけです。
 けど、亡骸は相変わらず綺麗なままそこにあるんです。人形のように。
 そしてそれをフェアノールは見ているはずです。

 全く変わらないのにそれは死んでいるのだという…さて、そういう立場にあって、フェアノールは肉体と魂をどう捉えるでしょうか。
 肉体がどう変わろうと変わるまいと、魂が離れてしまったならそれは死だと捉えるでしょうか。
 つまり、魂が離れてしまったなら、肉体はもうただのものでしかないと。

 ……そのことは、アマンの誰よりもフェアノールは分かっているはずなのです。
 生きている、眠っているようにしか見えない母が確実に死んでいると知っているのですから。

 8、さらに微妙な問題に踏み込みます

 結論①。だから、フィンウェさんの亡骸にはそこまで執着せずにさくっと葬った。

 次、ところがどっこい、美しいままだった母とは違って、何もしてないフィンウェさんの亡骸というものは、腐ります(ズバっと言ったな)。
 さくっと葬らない限り、腐っていくんです、だんだんと。

 結論②。腐っていくので見ていられなくなって途中で悲しみから抜け出して葬った。

 その次、しかし腐ったくらいでフェアノールが引くかというと、……引かない気がする。
 いや普通なら100年の恋も冷めるというか、不浄観的行動ですから
 (究極的には骨でしかない)(っていうかこの概念がもっと綺麗な形で成されてるのがミーリエルだよな)(魂がなければただのものである)
 ……引くはずなんですけど。
 フェアノールだし…引かない…気がするよ。

 結論③。というわけで、腐り果てて骨になるまで見守った。
 でもこれだと時間が足りない、気がする。
 そんな気長に嘆き悲しんでいるのか、ヴァラールもマイアールもエルダールも!

 じゃあ折衷案。
 結論④。いっそのこと、火葬にした。
 そして灰を持つのさ。これすると墓がないんだよな~ぁ…。
 ろめ的にはもひとつ悩むことが。……ウチのフィンウェさん、火が苦手なんです。まあ死人に口なしですが。

 9、それで結局亡骸のある場所は?

 さてこうなると、なんだか葬りの仕方が問題であって、場所はあんまり問題じゃない気がしてきました…。

 つまりね、土葬だったら棺を造ったのだと思うのだよ。
 今まではそのまんま埋めてたんだろうが、ここで初めて棺が。

 なんで棺かって、そりゃ亡骸が腐るからさ!
 ほんとはそのまま安置、っていうか保存したいんだけど、
 それってヴァラかマイアじゃなきゃ出来ないことで、そんなことはしてくれないわけで、そうこうしてる間に亡骸が腐ってくるんだよ!
 ぎゃー!仕舞っとくしかないじゃないか!
 (土にそのまま普通に埋めるのは許せないらしい)
 (あ、となるとやっぱりさくっと葬ったとしても結構こだわってるな、肉体に)
 おお!となると、火葬した場合を除いて結論が出たぞ!

 10、さあ結論です

 棺を作って納めた。…これが結論。

 で、どこに、となるわけだけど、棺である以上はどこに、はあまり問題じゃない。運べるから。
 しかもフェアノールは追放令を無視してティリオンにやってくるわけです。
 その時棺を持ってきてもいいと思います。
 ていうか、演説して「行くぞ!」って言うためだけじゃなく、父上を、馴染み深いティリオンに帰してあげたかったのかと思うと
 なんか切なくていいかもしれません(そんなテキトーな)。

 まあ、火葬にして灰を持ってるってのも捨てがたくはあるんですが。
 一部灰を(ていうか骨を)持ってて、残りは棺に、っていうのでもいいかもしれない。

 最終結論。
 死んだエルフはたくさんいるが、棺に入ってるのはフィンウェさんだけである。

 これでどうだろう。
 ちなみに棺は絶対開かないと思う。飾り気とか一切ないけど、どうにも開かないと思う。
 いっそ溶接状態でどうだよ。嘆きながらもそれくらいのことはしそうだ、フェアノール。

 そしておそらく、場所としてはティリオンなんだと思う。
 最初はきっと玉座のあるであろう場所に置いてあっただろうが、フィナルフィンが帰って来て、墓所を造ったと思う。

 11、最後にぶつぶつ

 クウェンディの葬儀というのは、(儀式の有無は別として)墓として基本的にそのまま埋葬する。
 棺とかに入れずにね。
 保存するんでなく、土に還すっていう概念なわけだ。

 だがしかし、例外はある。
 ミーリエルとフィンウェ。

 ミーリエルの場合は不可抗力というか、時期を逃したというか、そんなうやむやな理由で、亡骸は綺麗なまま保存されている。
 こうやって保存されちゃってるから余計に後の問題が厄介な気もするんだが…。
 裏を返せば、こうやって亡骸が完全に保存されているからこそ、ミーリエルは蘇らないんだ、という気もしますが、ね。

 そしてフィンウェさん。
 彼の場合は完全にフェアノールのエゴにより、亡骸は保存されている、はずだが棺の中でどうなってるかは誰も知らない。
 そこが悩みどころですね。
 普通に埋葬はしてくれないと思います。そして棺を開けるのは不可能、むしろ止めといた方がいいと思います。
 永遠に謎のままで…。
 ………って、フィンウェさん本人が蘇ってきたら、豪快に棺を開けて、
 すごいことになってるかもしれない亡骸をしみじみ見つめたりしそうですけど。
 や、すごいことになってないかもしれませんし。やはり謎のままで!(笑)