エルフの年月

 時の流れを実感してみましょう。

 第1部 アマンでの時の流れについて

 二つの木の時代と星々の時代、太陽年で考えますとどんなもんか、というやつです。
 さていってみましょう。

 1、はじまりに結論です

 いきなり結論です。
 アマンでの、というか二つの木時代のエルダールの年月概念、というわけなんですが。
 ろめ的には、年を数えるのはヴァラ年で言ってたんだと思います。
 「1年」と言ったら、それは太陽の感覚では約10年の時間(正確には9,58年)を指すんです。
 つまり、1時間感覚は太陽と同じ、1日は12時間、1年は7300日。
 1ヶ月の概念はない。あったとしたら太陽の1年=二つの木のアマンの1ヶ月くらいな。
 エルダールの妊娠期間は太陽の1年ですから、二つの木のアマン感覚では「約730日前後」なんですよ。
 この期間がまぁいわゆる「1ヶ月」?
 ええ、二つの木の時に1年は12ヶ月なんていう概念はないですともさ!

 で、なぜそういう結論に至ったかと申しますと。

 2、ヴァラ年の謎

 ヴァラの1年は、太陽年にして9,58年。は、いいとして。だってヴァラがヴァラ年使って何が悪い、って話ですよね。…ですけどね。
 植物とかヴァラ年で育ってないよ…ね?
 開花と実りの時期はヴァラ年で定めてないよねぇヤヴァンナ?
 ……というのが、一番引っかかるところだったわけです。

 だってちょっと待って…育たなすぎじゃないの?と。
 ですけども太陽が出てくると物凄く成長速度が早まるわけで。
 としたら、まぁそれでもいいのかなぁと思えたわけですよ。
 しかしエルダールもビックリしたでしょうがヴァラはもっとビックリしたでしょうな。
 太陽つくってみましたならば、約10分の1の速度で何もかも成長しちゃうわけですよ。
 えええええー!?超早くない?ねーヤヴァンナ、なんか間違ってない?(笑)
 いえ、我々の感覚で言いますと、前が全く育たなすぎなんだと思います。

 ですからね。1ヶ月の概念ってないんだと思います。
 ていうか実際のところはティリオンが遊んでるから月が満ち欠けしたりして、1ヶ月が実際きっぱり分かるようになったんだと思いますよ。
 ティリオン!あんた責任重大だ!

 で、ヴァラ年が太陽年の9,58倍、なんだけれども、二つの木の説明のところ読むと「○時間」って出てきます、よね…。
 ○時間。…1時間の概念はあったのか!?
 (ここで太陽年とずらすと後々たぶん面倒だと思う)
 で、しかも二つの木の1日って12時間、ってどきっぱり書いてあるわけですよ。
 1時間、という概念を変えてしまうとは思わない。
 そりゃね、時間の概念というものは主観でかなり変わるものではありますが、
 二つの木というちょうどいい指針があって、それで長年生活してた方々なんだから、
 中つ国に戻ってもその概念を使ったでしょうよ、と思う。
 誰か1秒を定めて60秒1分60分1時間を計上したんじゃないか。

 だから、ヴァラであっても1時間の概念は太陽年の時と同じ。
 ということは…1年、は7300日。こう考えていいんじゃないかしら。

 3、太陽年に換算してみよう~電卓乱れ打ち~

 さてでは、太陽年に換算しまして、星々の時代や二つの木の時代がいったい全体どれくらいの長さだったのかを実感してみましょう。

 まず。ヴァラの1年=太陽年の9,58年。うんうん。教授親子は細かい。10年だと思ってたら10年ではあかんらしい。酷いや!
 んで、100ヴァラ年=1ヴァラ期。
 で、メルコールがマンドス収監されてたのが3期ね。うんうん。
 3期っつーことは、太陽年換算すると2874年。ううむ、ヴァラでも淋しいんじゃないかこの期間は。

 二つの木の時代がヴァラ年にして1495年間。太陽年で14322年間。
 星々の時代がヴァラ年にして450年間。太陽年で4312年間。
 二つの木ができてから星々が輝くまではヴァラ年1050年間、太陽年で10059年間。
 二つの木が倒れてから月と太陽が昇るまではヴァラ年5年間、太陽年で48年間。
 ……なんの話をしてるのかわからなくなる数ですね。

 さてここでちょこっと面白そうな計算をしてみよう。

 4、太陽年に換算してみよう~マエズロスの虜囚期間って…~

 マエズロスがメルコールに捕まったのが二つの木の時代、ヴァラ年にして1497年。
 吊るされたのが1498年。
 んで救出が太陽年の5年。

 船焼きとかダゴール・ヌイン・ギリアスとかを1497年にやってるから
 多分マエズロスの捕まったのは1497年後半だろう。多分。まぁそれはいいや(おい)。
 単純に計算するとヴァラ年3年分+太陽年5年分だから、マエズロスの虜囚期間ってのは9,58×3+5=33,74年。約34年。

 …………うわぁああっ!?
 ちょ、待っ…それってすんごく長くないか?
 ごちゃごちゃとんでもない数の計算してたからいまいち時間感覚が狂ってるけど、だって待って?
 太陽の第1紀って…600年しかないんだよ?(第2紀は3441年、第3紀は3021年)

 えーとえーとえーと…あっグウィンドール!
 彼ってどんくらい捕まってたんだっけ…。ニアナイスが472年だっけか…。
 んでベレグが死んじゃったのが……490年より前だよな。うん。
 じゃあ490年と暫定して、18年か。…18年だって充分長いのにちょっと待ってくれ、34年…。

 面白いどころかビックリじゃわい。や、面白いけどさ。

 第2部 成人の謎

 さて時の流れを考えるにあたって、きっとおそらく多分大事であろうことを考えてみましょう。
 クウェンディの「おとな」っていつからか?

 1、成年はいつだ

 エルフの成人って、私、50年説と200年説を聞いたことがあるんですよ。

 …でこれまた悩みの種なわけで。なんじゃその変わり方は、と。
 ………そんであーだこーだアマンがどーの中つ国がどーのとやった挙句にちゃぶ台をひっくり返し(え?)
 もういいよわかったよ50年ってヴァラの50年だろ!太陽年換算で500歳成人なんだろ!
 太陽が出てきたら200歳に速まったんだろ!と決定、したはいいんですが。

 じゃあいざヴァラ年を太陽年に換算して愛しの湖世代の年齢設定でもしてやるー、と思いましたら、
 …あのね、エルダールが目覚めてからオロメに発見されるまで、どうやら335年しかないのね…。
 ……成人してないじゃんちょっと待ったー!?
 エルフって成人しないと普通結婚は無理よね!?
 待って待ってよウチのあいつらは第3世代なんだぞー!?(大混乱)

 ちなみにオロメがエルダールと初コンタクトしてから、イングウェとフィンウェとエルウェがアマンに着くまでは498年間。
 さて、835年間で500歳成人だと、世代は第3世代が成人してない、って状況。
 ちと待てそれでは民が少なすぎる。だって始めのいーっぽ!は144人よ?
 では200歳成人説を採ると…第4世代まで成人して、第5世代が生まれるかなどうかなってところ…これだよこれ。

 ということは、クウィヴィエーネンでは200歳成人説を採ると。

 だがしかし、それをアマンでも適応すると…なんか妙なんだよなぁ…。
 設定が前後してるにしても、フェアノールが200歳(ヴァラ年で20歳)で独立
 (ていうかフィンウェさんが再婚したから家を出たのだ)
 …だけどテングワール開発はその後?んん?……なんか妙なんだよなぁ…。
 成人したものを「若年」と呼ぶのかという(えっそこだけ?)。
 ついでに言えば私はアマンは50歳成人説で諸々をいったん設定してみたわけで、それからするとうわぁああぁっ。
 (考え直すのが面倒くさい)(おい!)。

 成長速度が変わるってアリですかね。
 太陽が出た時はいんですけど、もっとずっと前。
 …ええ、大移動。ていうか大いなる旅というかクウィヴィエーネンからべレリアンドまで行く時というか。
 年表書いてみたら……うん、移行期間というか。空白の○年、とかいう時期があってもいいんじゃないかと思いました。

 ていうかろめ的には大移動の最中に産まれた子どもっていないんですよ。約100年ありますけど(べレリアンドに突入するまで)。
 空白の100年。この間に成人が200歳から500歳に…。
 んで、二つの木が倒れてから太陽が昇るまでの約50年がまた移行期ですよ。
 空白の50年。この間に再び成人が500歳から200歳に…。

 驚異の第1紀より長い年齢差を実行いたすこととあいなりました。
 え?誰かって?
 ろめ的にはフェアノールとフィンゴルフィン、マエズロスとフィンゴン。あそこ70歳差。…ってことは約700歳差です(爆)。

 まあ、湖世代は特にのんびりさんですから、「あー、まあ年月が経ったね」って感じじゃん?当人たちがさっぱり気にしてないじゃん?
 と、ここで再び疑問がやってきます。

 2、ていうか成人概念って

 何?

 …………そりゃ勿論、アレでしょうな。
 根源的には(そしておそらく湖では)子ども作れたら成人ですよね。だからその名残で成人=結婚が許される、んだと思うんですよ。
 そして成人年齢を決める、というかけじめとして儀式なり通過儀礼なりをするのは、アマン発の習慣だと思う。
 もっとざばっと言ってしまえば、ヴァラールやマイアールが教えた概念ではないかと。
 それまではそりゃー漠然と「おとな」か「こども」かで何となく区別(する意味もあまりないような)してたんじゃないかね、と。
 成長速度的に、えーと、早くて10歳遅くて18歳?そのへんの年頃になるのに200年だか500年だかかかってたと思うんですが、
 それはそれとして、まぁ「おとな」になったわねーとかまだ「こども」ね、とかいう漠然と曖昧となぁなぁで…やってたはずだ。うん。
 湖世代は絶対そうだ。

 ということは使節だったエルダール長、あの3人が帰ってきて軽く決めてみたいくつかの事柄のひとつなのではなかろうか。
 成人年齢決定って。
 とりわけこれって、……きっとフィンウェさんが強固に主張したんだろうなぁ、と。

 …なんでかって?私の脳内でフィンウェさんは成人がとっても遅いからさ!
 ………極端なことを言えば、使節に行った時にフィンウェさんはまだ「こども」でした、でもアリだと思うくらいですわ。
 年齢的にも頭脳的にも身体の他のことに関してもすっかり「おとな」なのにまだ「こども」…。
 あんまり気にする必要もない種族なんだけども、やっぱり湖世代でさ、これから子孫をどんどん増やすぞー!って頃のことだ、
 なかなかコンプレックスではないかと思う。
 …ついでに言えばエルウェあたりがめちゃめちゃ早くてからかってたかもしれんな。
 好きな子をいじめる小学生男子のノリで。

 「もうおとな!」と「まだこども!」の対立は多分ず~~っとあってそう簡単にはなくならないものだし、
 そういう意味ではけじめとしての成人概念ってのは良いものだとは思うわけで、
 それより何より勝手にコンプレックスがあることにしてしまったフィンウェさんが
 脳内で「成人年齢を決めるの!」って強固に主張してくださって消えないわけ。

 …で、まぁ500歳成人と帰ってきて決めたとするよ。
 率先して「けじめ」を守るフィンウェさんは、メルリンダレで「叱らねばならぬのは~」なーんて発言するわけね。
 おお、全部捏造だが繋がった!バンザイ!

 3、成人という節目

 さてアマンにて、成人したらどうよ、って話ですけども。

 まず、アマンに限らずクウェンディって、基本的に結婚したら独立しておうち持つわけ。
 現代日本も大体一緒かな…親と同居が悪いわけじゃありませんけど。
 だけどここはひとつ、成人=「おとな」=結婚できますよん、だった名残から、
 成人年齢になると独立しておうち持っていいよ、な方向で考えるべきでしょうな。
 そうすると結婚してなくてもおうち出られる。

 これって、すんごくノルド的だと思う。
 私、各氏族概念でも語ったけど、ノルドほど「身内に恵まれなかったらもうさっさと独立しちゃってください」な氏族はないと思う。
 というわけでノルドは(つーか大半の慣習はアマンのノルド発だよな…)
 成人年齢になったら独立可。可なだけであってしないひともいる、と。
 ……父上の再婚にショック受けて「独立する!」っていうフェアノールとかいるわけですよ(爆)(そういう時系列で考えてます)。

 そう考えると、ノルド王家の方々は案外バラバラに館持って住んでてもおかしくないんだよなぁ。
 トゥアゴンとかはごく普通に独立してると思うけどね!エレンウェとラブラブ生活たまにフィンロドが乱入…(それってどうなんだ)。

 えーと。で、そういう節目なわけだから、エルダール、
 自分の年齢なんか覚えてないっていっても、成人年齢まではちゃんと年齢わかってるんじゃないか、と思った。
 成人しちゃったら自分の年齢なんか記憶の彼方に飛んでいくんじゃないかと思いますが。
 あ、もちろん湖世代が自分の年を分かってるわけないですって。
 でもほら、成長過程で自分より年上だ年下だってのは覚えてるわけでね。
 だから年上年下概念だけはあるんです。まぁ自分より前に存在してたかどうかだもんな…。

 氏族によって違うでしょうがアマンはそれでいいとして。
 中つ国はどうなんだろうな…。
 湖を出発した時に一応成人年齢を決めていたとしたら、大体のことはしてたと思うんだけど。いくらエルウェでも。
 ていうかエルウェがいない間に誰かまとめてたひとがその辺はちゃんと仕切ってそうだ。
 んでエルウェがメリアンと手に手をとってうふうふと森から出てきたら色々あれこれ決まっててわあすごいなぁというか。

 で、アマンを飛び出たノルドールたちが中つ国にあれやこれやの秩序決まりを持ち込んで、時の流れの概念が固まるわけですな。