タニクウェティルで今日も今日とてぼ―――っとしていたマンウェの所にアウレが飛び込んできたのは、そりゃもう突然だった。
「マンウェ!マンウェマンウェマンウェ!! ドワーフが来てま! す!」
あーパニクってるなぁ、と思いながらマンウェは返事した。
「……へー」
「へーじゃなくて、入れてくれるんですかくれないんデスカ」
多少裏返った声で言う。マンウェは首をかしげた。
「……? 入れるも何も、来ちゃったんじゃないの?」
「来た。エレスセアに」
「あー、そっか」
なるほど~と頷くマンウェに、アウレはごっくんと生唾を飲み込むと、おもむろに言った。
「で、ヴァルマールにっていうかむしろ私の館に招いてもいいかな。いや、良いよね」
「えーと」
アウレは何だかとってもきらきらした目で見つめてきた。マンウェは軽く悩んだ。
「来ちゃったからにはもうどこ行っても一緒だと思う、けどー…」
うんうんうん!と豪快にアウレが縦に首を振る。賛成してもらって嬉しそうだ。
「あれ?ところでどうやって来たの?」
「ん、何かね、エルダールのひとりと一緒に来た」
「うわぁ大胆」
小さく拍手して感心するマンウェに、アウレはにぱっと笑うと言った。
「じゃあお招きするから、ナーモに言っといてくれ」
「………? うん…」
なんでナーモ?と思ったのが顔に出ただろうか、アウレはきっぱり叫んだ。
「だって死んじゃったドワーフはそりゃナーモのかもしれないけど、生きてるドワーフは私のだからね!」