彼の呼吸を聞きながら、こうして目覚めているのは悪くないと、思って、いる。
 血の気の少ない貌の、額をそっと撫で、閉じた瞼に口づける。
 どんな夢をみてるの?
 あたしはその夢の中にいるの?

 この一瞬が永遠に続けばいいのに。
 あなたがあたしだけのものならいいのに。

「こうして一緒にいられたらいいの。それだけで、いいの」
 本心のような、嘘のようなそんな気持ちであなたの隣にいる。