フィナルフィン

「ああ、困った」

 ノルドール・エルフ。
 フィンウェとインディスの第4子。フィンウェの3男。
 金髪・淡紫の瞳。

 気楽な末っ子はそれでもしっかりノルド王家の一員でした。

 フィナルフィンは基本的に、口に出せる時はまだ余裕、もしくは自分の中での解決がちゃんとできてる。
 本当にヤバいのは黙った時。逆境は逆境として楽しむタイプで、かつ何だか常に傍観者気味。
 フィナルフィンは、腹黒いというとちょっと違うんだけど、基本的に利己的で独立独歩(なんか間違ってないか)。

 フィナルフィンについて考える時、外せないのは北方の予言を聞いて「引き返した」選択だと思うんですが、
 この引き返す時に「戻る」気持ちではなかったような気がする。「行く」ような気がする。
 ふたりの兄に「ついていかない」ことが目的なんじゃなく、ティリオンに「行って」何かするのが目的だから、戻る…
 別のことをやめた結果じゃなくて、他の目的のために向かう、行く先が変わった、そんな感じ。

 償い方が違うんですよね、兄ふたりとは。
 ある意味でこの「ティリオンへ行こう」選択は、その昔フィンウェさんがエルダールを率いてアマンへ行った、その決意と近いのかもしれない。
 思うことは多くても、これが最善だと思った気持ちは変えられなかった、そんな感覚において。

 ここでひとりでも戻っておいたら、後々兄ふたりの方も違うかも…という打算もあったかもしれない。
 フィナルフィンには打算がある。あんまり無邪気じゃない。
 他のノルド王家の2家のように、愚直なまでに純粋ではない。
 あー、だから「黒いヴァンヤール」な認識になっちまうのか(笑)。
 でもそれを実行するあたりが実にノルド的、というか、ああやっぱりフィンウェさんの息子なんだなーと。

 利己的っつぅか、ある意味ものすごくジコチューな方ですね。
 子ども達が中つ国へ行って、自分と共にアマンへ行かなかったことに対しては特に何も思ってなさそう。
 あの子たちはああしたいから、ああする。私はこうしたいから、こうする。
 自分のことは自分でする。だから、これでいい。
 結局子どもたちも、この父にしてこの子ありです。

【私家版フィナルフィン】金/淡紫 華やかな美貌。人あたりも良いし社交的なのに評価は変人。あいつおかしいってよく言われる。甘え上手で甘えるのを躊躇わない。依存するものは無いが大事なものはあって、どんなに時間がかかっても最終的に手に入れる。各々個人を尊重するのである意味とても厳しい。