「炎を上手く燃やすことはできます」
ノルドール・エルフ。
マハタンの娘。フェアノールの妻。
彫刻家。紅髪・枯灰色の瞳。
あの父の娘、あの夫の妻、賢きネアダネル。そしてあの7人息子の母。
女系家庭で育った(ということになってます(笑))ネアダネルにとっては、フェアノールというのはもはや珍獣。珍しい男だったんじゃないかしら。
女性らしい気まぐれよりも、父似の、落ち着きと冷静な眼を持っている方なので、傷つきやすくて誇り高く、わがままで甘えん坊、こどものようなフェアノールに強烈に惹かれたのだと。
なまじ、身近な男たちがかなりオトナで、職人≒コドモの情熱があったとしても、フェアノールほど突き抜けて、飛びぬけてたひとはいなかったわけだし、親方の娘だから気がつかないレベルで気を遣われてるわけで。
(いや、ネアダネルは気を遣われていることをわかっていたと思いますけど)
ネアダネルは、鍛冶場にいる時は炎の面倒を見てるイメージ。
他の技術は出来ないけど、造っているものとそれに必要な火力はすぐわかる。
そして、どういうふうにしたら火がどう燃やせるかもわかってる。
館ひとつだけ解体…ではありませんが、周囲のものに被害を及ぼさず、特定のものだけ燃やすとかできそうな…(おい)。
その勢いで炉の掃除とかもしてそう。こっそり。
皆知ってるけど、使いやすくなるし(笑)本人がやりたくてやってるし、かつ灰の状況とかでいろいろ読みそうなんだよなー…。
だから暗黙の了解。(でもフェアノールとはそれでモメそう)
フェアノールとの仲がいつ冷えたのか謎なんですが…
ていうか…本当に仲は冷えたのか?(爆)
仲が冷えたとか愛が冷めたとかそういうのでなく、ただもう一緒にはいられなくなった、そういうことなんじゃないかと。
まだ愛してる。たぶんずっと愛してる。だけど一緒にいると、辛い。そんな感じかな。
で、別居に至って、そのままアマン出奔…かなぁ。
ネアダネルの造る彫像はまるで生きているかのようだったそうだけど、きっと、フェアノールの彫像だけは、造りかけで止まっているんだと思う。
(フィンウェさん以下アマンを出て行ったノルド王家は全員彫りそうだ)
造りかけで完成なのかもしれない。ネアダネルは悩んでいそうだ、彫りかけの像の前で。
ノルド王家の妻たちは、「外」の概念がてんで違ってて面白い。
ネアダネルにとっては「材料捜しや構想を求めて出かける」所。
目的があって出かける。何の気なしに、とかはあまりない。
散歩は好きなんだけど、結局は構想を求めて…とか、夫と行く散歩は(習慣でありそうだ)「夫と行く」ところに目的があるからなぁ…。
【私家版ネアダネル】紅/枯灰 顔立ちはわりと鋭い。賢さが前面に出てあまり可愛げがない。沈着冷静な眼と心で、ひとに感情を露わにするのを好まず飲み込む。彫刻家。火の扱いに長けて工房の炉の掃除してる時が夫との初対面。愛情深くのめりこむタイプだが同時に考え込む質。諸々密かに苦悩は多い。