キアダン

「怖いのかもしれないな、私は…。今となっては」

 テレリ・エルフ。湖生まれ。本名ノォウェ。
 ファラスの領主。最も優れた船大工。
 銀の髪、碧い瞳。

 キアダンは通り名…なんですよね。意味は「船造り」そのまんまやんけっ(笑)。
 しかしこのノォウェくんの船造りぶりは年季が入ってまして、ちっちゃい頃から特に水が大好きで、水辺でぱちゃぱちゃやったり泳いだり、
波を起こしてみたりいろんなもんを浮かべてみたり、後に船を作るであろう片鱗を豪快に見せていて、
きっとエルウェがいなくなったって言われるまでは「わーい川がいっぱいー!」って川でやっぱり船モドキを製造してて、
んでエルウェがいなくなって、探して、探して、捜しまくってヴァンヤールとノルドールに置いてかれて、あわあわと海辺に行って、
オスセと仲良くなって、で海辺を探検して、探検して、ちょっと川伝いに戻って行ってまた「エルウェさまー!どこー!」って捜したりして、
海辺に戻ってきて海と親しみまくって、んでとうとうオスセにアドバイス受けたりして船がだんだんそれっぽくなってきて、
でもやっぱりエルウェも心配だし…とそれなりに諦め悪く森と海辺をうろちょろうろちょろしてて、2度目に島が来た時には
「やっぱり諦めきれないからもっぺん捜してみよう隊」を率いて大捜索の真っ最中で (爆)、結局置いていかれた…と。

 で、海辺で離れていく島に向かって、「ちくしょー!船で追っかけていってやる!!」と指差し宣言したら、おそらくウルモの神託が、
「いや待てまだ君の造船技術じゃ無理だから。時が過ぎれば君の技術はものすごく必要とされるだろうから、ここで船造りの技を極めなさい」
とか下ってきて、うぐうぐと泣きながら「わかりました…」と。

 そこでヴィンギロトの幻影とか見えちゃうらしいんですけどね。うわぁヴァラ大サービス。
 これ、ウチのヴァラたちで考えると間違いなく、またもイルモは頼まれて幻影作ったんだろうなぁ(笑)。

 船は木で出来た大物工作です。ウチのマハタンは木の小物工作が大好きです。
 …そんな繋がりあったりしないかな~とか思ったり…。
 水を追求するあまりにノルドの一団に突っ込んで行ってしまったノォウェとかね。ありそう。

 さてそんな神託を受けたノォウェですが、…つまり大会戦時にはもう役目が終わってるんですよね。
 いつアマンに渡ったって、誰にも文句言われない。
 だけどノォウェは中つ国に残る。そしてひとりでも西に渡りたいってエルフがいる限り、ちゃんと船を造って渡してあげる。
 これって、昔むかしのその昔、自分が置いてきぼりになった過去があるからじゃないかと思うんですよ。
 自分は置いてかれてめっちゃ悲しかった。
 だから、エルフ皆がいつかは西に渡ると決まった今、ひとりでも置いてきぼりになるエルフがいちゃいけないと思った、んだと感じるんです。

 だって渡らないで生きることに倦み疲れたなら、マンドスにも行かずに亡霊だかなんだかわからないものになっちゃうんですよ…。
 それってあんまりでしょう。
 だから最後の船はノォウェの船。もう、本当にただのひとりもエルフが中つ国にいなくなった時、その時ようやくノォウェは船に乗る。
 そして西へ。西へ行く。それを待てるくらい強い心を持った方だと思ってます。

 助けを求められたら(求められなくても)助けてくれるすごいひと。
 お髭を伸ばし始めたのはシャレっていうか冗談だったと思うんですけど(爆)
 (いや、ウチのオスセには髭があるから、そこ繋がりか?)
 伸ばし始めたら案外気に入った、とか、
 後々第3紀には老人の姿したマイア達が来ますから、ちょっと年食ってるふうも楽しいかも、とか思ってたら…笑える。

【私家版キアダン】銀/碧 本名はノォウェ。オスセと仲良くなって冗談で髭話したらマジで髭が生えたので伸ばした。責任感の強さを大っぴらには見せない。自分が結果置いてきぼりになっただけに置いてきぼりにすることは決してない。好い男で艶聞に事欠かないが、本命の噂のみ真しやかに囁かれている。