ウチのルーミル(アイヌリンダレとテングワールのモトの作者)は呑気で能天気なコです。
そしてテングワールのモトやアイヌリンダレを作ったのからわかるように、
おそらく言語学者でノンフィクション作家です(どんな言い方だよ)。
そしてそんな呑気で能天気なコと仲がいい、ウチのエレンミーレ(アルドゥデーニエの作者)はヴァンヤの伶人です。
ていうかもう、ヴァンヤの伶人代表です。そういうことになってます(おい)。
エレンミーレが優れているのは旋律ではなくおそらく言葉の方で、
きっと発音とか言葉の変遷とかそういうところに敏感だったんだろうなとかボンヤリ思って、
(ちなみにマグロールは「物語」としての言葉に優れ、
ダイロンは何よりも旋律にまず優れていたんだと思います。氏族別伶人代表選手比較(爆))
てことは「同じ氏族のように幾久しく睦みあって暮らした」アマンでのことだもの、
このふたりが楽しくおしゃべりしてたら楽しいよねー、と思って、そこからこのふたりが仲良くなりました。
そもそも言葉を書こうっていうきっかけはやっぱり、自分で思い出すためと他者に見せる(残す)ため、このふたつにあるわけで、
記憶力のいいエルフのこと、伝承で口伝で漠然と変化していくのもまぁいいやって容認していたけど、
アマンに来てみたらやっぱりこれって「正確に」伝えるべきだよね!と燃えて、なにかカタチに残そう!
と文字を発明したのだと思いつつ、
ルーミルはそういう使命感に燃えて、とかじゃなくて、ただ、自分が覚えていたいとか、そういう必要(?)に迫られて、
なんとか思い出すしるべになるものを自力で開発したのが真相ではないかと思う、ようなスキがある、気がする。
呑気で能天気な彼は、いったい、なぜ、文字を開発しようと思ったのか?
記憶力がよくても覚えられないものっていうのはあるはず。で、私の場合、それは歌なことが多い。
なんかメロディーだけ覚えてて、はて、歌詞なんだっけ?となる。
もしくは、歌詞の内容(しかも要約)だけ覚えてて、メロディーときたらさっぱりだとか。
そう、ルーミルは、歌詞を覚えるのが致命的に弱かったのです(そんな!)
ルーミルはエレンミーレが歌ってくれたとある歌がとっても好きだった。だけど覚えられなかった(爆)。
旋律はカンペキなのに、何度教えてもらっても歌詞が覚えられなかった。
そこでルーミルは考えた。よし、歌詞を見ながら歌えればいいんじゃん。
なんか言葉を残すものを考えよう!
とはいっても、歌に出てくる物を目の前に並べるわけにいかないし…
うーんと、えーと。じゃあ、こう線引いたらこう読むことにしよう。うん。
で、こう線引いたらああ読む。うん。
…あ、そっか、いっぱい出てくる音は統一した方がいいな。
で、これはこの上にちょっちょとくっつければ早く書けるじゃん。よしよし。
じゃあちょっとエレンミーレ、歌ってよ。書くから。
え、何を?歌詞だよ!
何この線の羅列って?まぁ待っててよ。はい歌って?
(かりかりかりかりかりかり)
よし、これで僕も歌えるぞー!
~~~~~~♪
ほら、歌えたろ!
これ何かって?音を表す記号!これで言葉を書いとけば僕にも歌えるぞ♪
というような超個人的な理由から生み出された文字でありますがゆえに、最初は超テキトーだったのであります。
本人以外誰も解読できない(爆)。
それをだんだん系統だてていって、まぁ覚えれば便利かも…とじわじわと浸透していって、
でもちょっと覚えにくいよねー、とかいう話題になってた頃に、
ルーミルはちっちゃいフェアノールと対面して、話が弾みに弾んで、
無事フェアノールはすんげぇ綺麗な文字を改良して作り出せたと。ええ。
ルーミルは逆に使いやすくなって喜んだと思うね。
手柄をとられたとか、そういう妬みとはいっさい無縁に、能天気に、わーい書きやすいし綺麗だしステキー♪と。
で、その開発途中に、ウチの子、エイセルロスが無邪気に喜ぶ。
わー、きれいですねー、お花畑ですねー、蝶々ですねー♪
テングワールの仕組みを知ったのが正確にはいつだったか忘れたけれども、知って、
そして母音が子音の上に書かれるその構造と、キアスとくらべての見た目の印象が、すっかりお花畑だった。
花の上に舞うてふてふ。しかもお名前もてふてふ(テフタール)。
テングワールに比べてキアスは踊る人形って感じ(おい)。
お花畑に舞う蝶と、行進しつつ踊る人形。どっちも可愛いイメージには違いない。
そんなわけでウチの子は「お花畑」などと表現しています。
母音いっこの時は別の文字を最初当ててたんですけど、
ウチの子が「てふてふひとりじゃ可哀想じゃないですかっ」とか胡乱なことを言い放って、
てふてふの止まるお花が出来た、んだったら楽しい。
え、なんのことかわかんないって?ほら、テングワールに、テフタのっけておとなしく立ってるのあるじゃないですか。
短く読むか長く読むかしか表さないの。あれ。
かくして、あるエルフの「なんか言葉を残すものを…!」という願いから、
たいそうかわいく美しいてふてふとお花畑が生まれたのであります(オチてない)。