「殿がそう仰るなら」
ヴァリエ。
織女。歴史を紡ぎ織る者。ナーモの妻。
銀の髪、銀の瞳。
午前中は糸紡ぎ、午後は機を織る。
機織りは、ヴァイレ手ずから経糸(たていと)をかける機と、
配下のマイアールが径糸をかけ、緯糸(よこいと)、つまりつづれをヴァイレが織る機と、
ほぼ全部マイアールが織りあげる機がある。
きっと、視点の違いなんだ。個々人の織りはマイアールがやるけど、全体を見た織りはヴァイレにしかできない。
ただし、糸紡ぎは全部ヴァイレの仕事。糸の選別もそう。
もしくはやっぱり無地部分は全部マイアールが織るんだろうか…。
起こることすべてを見通す夫に、起こったことすべてを記録する妻。
マンドスはナーモの名として使われることが多いですが、実は館、というか霊的世界としてのマンドスはヴァイレなのではないかと。
ヴァイレのつづれ織りで覆われ、ヴァイレの紡ぎ織る歴史で形作られているあの場所、というか世界、というのは。
なんというかなぁ、産む者、というよりも生まれる素材である混沌とした部分としての母なる者?
あえて言うなら子宮そのもの。
だからヴァイレはともすると意思のないようにも思える。
本人は夫に輪をかけて無口で、「わたくしは殿に従います」とかなんとか言ってるような気がする。
その実従ってるのはナーモの方な気がする(笑)。
顔のイメージが、なんか、見たはずなのに見えなかったというか、
のっぺらぼうではありませんが、見たのに思い出せないというか、忘却の彼方というか(おい)、
薄いヴェールを常に被っていて、ヴェールを外しても顔があるのかないのか…とかそんな感じ?
マンウェが「マンドス」と呼びかける時は、ナーモだけでもヴァイレだけでもなく、
ふたり(というかもはや未来と過去すべてを司る者、時の司としてのひとり)に対して聞いています。
【私家版ヴァイレ】銀/銀 確かに見た筈なのに姿形は記憶のヴェールの向こう側。起こったことすべての記録担当。基本夫に従うけど好きなものは全力で擁護。会話が成立しないわけではないけど話を聞いてるのか不安になるくらい無口。マンウェが「マンドス」と呼びかける時は夫婦セットを指す。